メーターパネル作成

さて、ImaNaniのページでもちょこっと書いたりしてましたが、メーターが完成しました。

実は、免許取得してからずっとメーターを作りたいとは思っていました。で、やっぱり作り始めるまで、 そして 、完成するまでといろいろと考えたり、調べたりしたのでその経過を書こうと思います。

まず動機

動機は、ただ単に「タコメーターは真ん中だろう!」ってのが根本です。 それと、RX-8のメーターの様にタコメーターの中にデジタルで速度を表示 させたいってことです。
ST20のセリカ・カレンのメーターのインパネは何もしなくても、 そこそこ、好きなデザインなんですが、やっぱり真ん中にって感じで。 もう一つ動機を挙げるとすると、「やろうと思ったのに断念した」って ことが引っかかったって事です。なんか悔しかったわけです。

目標

せっかく自分で作るんだから、金かけない

自作とはいえ、社外品にひけをとらない物

純正の機能は潰さない。これはセンターパネルの時も同じでした。)

で、実際にじゃあどうするかって考えると、意外と社外品でも
無いんです。自分の好みとしては、Defiの開発品(04年8月現在)に入ってる SportsClusterなんか良いなぁと思うんですが、発売されても恐らく 僕には買えないでしょう。(お金ほんっとないんです)

ということで、社外品のメーターを一つ一つ中古で集めて作ることに。

考えていくと、燃料計がないことでつまづきます。 大森が燃料計を発売してますが、満タン・空の抵抗値を計って 受注生産のみの様なので却下。同じ抵抗値にあわせた 大森製燃料計を中古で出てくるのを待ってても出てこないでしょう。 で、燃料計は自分で作る事に決定。

次の問題点は、スピードメーター。 社外品でデジタルメーターは何社からか出てます。さらに、リミッターカット が出来るなんておまけ(じゃないか)付きです。 で、社外のデジタルメーターは大抵表示に7セグLEDです。 ですから、ばらしてタコメーターに埋めるって事も可能だと思います。

で、じゃあ社外のスピードメーターを使おうって思ってみると、 社外のメーターには、オドメーターがないです。 で、オドメーターだけ純正を使おうかと思うと (実際、自分でメーターパネルを作ってる人には多いみたいです) スペース的にど〜しても入らないです。あと、純正のメーターから 外してみると、トリップとオドが異様に離れてる気がして、 正直かっこよくないです。 オドメーターだけ流用ってことは、純正にあるトリップを無くすことに なるので、却下。 そんなことで、オド・トリップも自分で作ることに決定。

となると、オドメーター・トリップメーターはパッと考えてみると、 スピードパルスをなんらか処理するって事が、想像できるので、 どうせ、燃料計と距離計を作るならスピードもできるだろう、 というか、スピードメーターだけ(タコメーターとバキューム計は既に持ってました) 社外を買うのもどうだろう・・・と思い、最終的には。

*自分で作るもの*
燃料計、距離計、スピードメーターに決定。

これだけ、自分で作るなら配置はほぼ自由です。
それで、最初に考えた配置はこれ。

サイズのみ、正確な最初のイメージです。
左から、
バキューム計・タコメーター(の中にスピードメーター)・液晶(オド、トリップ、燃料を表示)。
結果的に、出来上がりもほぼこれと同じになりました。

さて、ここまで方針が決まると、今度は具体的に自分で作る事にした、
燃料計・スピードメーター・距離計のことを考えました。

余談ですが、職業柄普段配線ばっかりやってます。いろんな。
で、前から配線だけじゃなくて、設計・プログラミングもやってみたかった
って思っていたので、今回制御部はマイコンを使います。
マイコンには、安くて使いやすそうだと思いPICマイコンを選びました。
液晶や、7セグLED、トリップのリセットスイッチなど付けることから、
PIC16シリーズ最上級の16F877を使いました。
プログラムはC言語で組みます。

まず燃料計。

カレンの燃料計(というか、ほとんど車が多分同じ)は、燃料タンクの中にフロートが
入っていて、フロートが燃料の入り具合で上下して、そのフロートの根元についてる
可変抵抗器を動かしてその抵抗値が変わります。
ちなみに純正の燃料計の満タン・1/2・空の抵抗値は
GND(アース)〜メーターパネルに来ている配線間で

Full
1/2 31.7Ω
empty 110Ω

です。で、燃料タンクのフロートの可変抵抗器の配線は片側GND、片側メーターへ
行ってるのみです。PICマイコンを使うことから、燃料計の信号は電圧で
入力したかったので、メーターへ来ている信号を110Ωの抵抗で+側に吊りました。
こうすると、抵抗分圧したことになりフロートが動いてメーターへ来ている
配線の電圧がかわり、PICマイコンに燃料タンクの量が電圧で入力できます。

燃料の量を電圧で返せれば、マイコンのA/D(アナログ・デジタル変換)ポートで入力して
ソフトで電圧を256段階または1024段階で処理できます。今回はそこまで細かく見る必要が
ないので、A/Dは8Bitモード(256段階)で使います。
燃料の量に対する、電圧の変化はExcelかなんかで書いてみるとすぐわかるので、
あとは、その電圧に対する燃料の値を式で表せれば、液晶に燃料の残量が表示できます。
で、車はもちろん動くもので基準の電圧自体もバッテリーのヘタリや、エンジンの回転数
で変わってしまうので、IG(+)を+側の基準電圧としました。
言い換えると、車両側のプラス側とGND側の電位差を256段階に割って、その中でフロートから
返ってくる値が256段階中、何段目かをマイコンで見てそれにある係数を掛けて、
液晶に表示しているって感じです。
車が揺れて、フロートが動いてしまうことには、燃料の値を更新する期間を
長めにして対処しました。自分のでは2秒毎に更新します。

次はスピードメーター

スピードメーターは、スピードパルスの間隔を測ります。
1部の車を除いてスピードパルスは、タイヤ1回転で4パルスです。
で、スピードパルスの間隔を測るために、自分は
マイコンの外部割り込み(ポートRB0)を使い、
外部割込みで内部タイマーをリセットし、次のパルスが来たときに
タイマーの値をチェックしその値から速度を計算してだしています。
走行状態から、停止するとパルスの間隔が無限になってしまうので、
適当にリミッタをかけてあります。自分の仕様(PIC16F877 10MHz駆動)では
タイマー1をプリスケーラ最大で209msecでタイマーがオーバーフローします。
209msecだと、大体時速6Km/hくらいなのでタイマーがオーバーフローしたら、
速度をゼロにするようにしました。

スピードメーターは他の方法として、ある一定時間に何パルス来るかを
数えようかとも思ったのですが、スピードメーターという性格上
”ある一定時間を広げると更新が遅すぎる”
”時間を狭くすると、最低単位が荒すぎる”ということで、
パルスの間隔を測ることにしました。
さらに、オドメーター・トリップも付けるので、どちらにしろ1パルスくるごとに
何かしら処理をしないといけませんでした。

オドメーター・トリップについて

これは、ただ単にパルスが来る度に1パルスあたりの距離を追加するだけです。
自分は何パルスで100mかを計算しておいて、100mごとに加算してます。
トリップはついでに2つにしておきました。
オドとトリップの違いはリセットできるか出来ないかだけです。

警告等について

で、純正の機能を削らないと決めたからには警告等も削れません。
車検的にもないとまずいし、不便です。
ウインカーは純正をそのまま残すことにしました。
半ドア・ハイビーム・ブレーキも同様です。
どの車にも同じマークで付いてるので、勝手に「ないとまずいんだろう」
と決め付けて、そのまま残しました。
その他の警告等に関しては、フォトカプラーで受けて液晶に表示します。
(正直・めんどくさいと思って削ってしまったのもありますが・・・)

ハードについて

回路です。ほとんど、上で何をするかは説明してしまったので、
回路図のみ。最後にちょろちょろ作りながら修正したのがあるので、
間違ってるかもしれません。
回路図
7セグの表示はダイナミック表示です。
あと、キーオフの時にオドメーター・トリップの値を保存しないと
いけないので、キーオフから数秒遅れてマイコンの電源が切れるように
なってます。

配線・組み込み・加工

ここからは写真のみで・・・・

アクリル板を加工。
純正メーターの枠の上にこのアクリル板を置きます。

制御基盤、すべての処理はここで。

その基盤の裏。汚い・・・

ちょっと飛びますが・・・・

アクリル板に穴を開けて、バキューム計・タコメーターの文字盤の板をはめ込み
シリコンでとめて、文字盤をOHPシートにプリントして張り付けたとこ。
基盤と液晶も適当にスペーサーなんかで2段にして、固定。

裏はこんな、タコメーターに元から付いてた基盤は高さが取れず
中には入らないので、外(純正メーターのプリントフィルムの上)。
今タコメーターと、バキューム計についてる基盤はただの照明。

その追い出された、タコメーターの基盤など。左側がタコです。
真ん中は純正スピードメーターについてる基盤。ミッション側からスピードパルスが
メーターに来て、このスピードメーターの基盤で何かして、ECUに行ってるみたいなので、
基盤のみそのまま残した。何やってるかくらい、調べればよかったか・・・
見てのとおり、純正のフィルムパターンを残して、そこに配線してるので
カプラーオンで、交換可能です。

で、完成。大体イメージどおり。
タコメーターの右下欠けてるところに、キーオンするとスピードが表示されます。
右側の黒い長方形が液晶。黒背景、白文字の液晶(なかなか売ってなかった・・・)
右上はスペース空いてるので、なんかシールでも貼ろうか。

で、夜の写真。ほとんどぶれてますが・・・

制作に掛かった部品代などは、だいたい7千円くらいです。
手間は正直相当かかった。